平成23年3月19日土曜日

日本への祈り


大地震以来、インドでも会う人会う人に、日本は今大変だね、家族は無事?との言葉をかけられます。
インドにいる日本人たちは、頻繁にインターネットに通い、ニュースをチェックしたり、家族と連絡をとりあっています。みんなの集まるチャイ屋では毎日情報交換が行われています。

地震から数日後、数人の日本人たちで朝6時に集まって、ガンガで日本への祈りを捧げました。円を作って、しばらくの間日本の平安を祈って座りました。

上の写真は、唯一外国人で参加してくれたシェンがとったもの。

この日の朝から声が全く出なくなり、自然と沈黙の行の一日となりました。筆談はしたので完全ではないけれど。歌の練習もできないので、一日中日本人の友人達と遊び、癒されました。


みんなで路上のイドリー朝食をいただき、そのあとはヒーラーのまやちゃんにのどを中心にみてもらって全体のエネルギーを整えてもらい、昼はアシュラムで無料の昼食をいただき、夜はサントゥール奏者のジミー宮下さんのコンサートへ。

「For All the Victims on Earth」と名づけられたコンサートで、主に今回の日本の災難への祈りをテーマにしたものでした。

夕方集合してボートでコンサートの開かれるガネーシャ寺院へ。オーガナイザーのダルマダースさんがボート用のおやつまで用意してくれていて、ピクニック気分を楽しむ。川沿いの古い建築物を眺めながら、ゆったりとボートでコンサート会場へ向かい、ジミーさんも「渋い!こんなの初めて」と喜んでいました。

ラーガPuriya Kalyan、最後に日本の曲、「ふるさと」を演奏してくれました。

うさぎ追~いし、かの山~。こぶな釣~りし、かの川~。

みんなで一緒に歌うよう促され、私は声が全くでないけれど口を動かして、気分だけは十分参加しながら、ふるさとを想いました。久しぶりに聞くメロディーに心を癒され、初めてこの曲を耳にするインド人からも拍手喝采でした。


平成23年3月8日火曜日

Dhrupad Mela 2011

Prof. Ritwik Sanyal, Raga Bihag

2月28日から3月2日までの3日間、最古の北インド音楽ドィルパドの祭典、ドゥルパドメーラが開催されました。シヴァ神をたたえるお祭り、Shivaratriにあわせて毎年行われます。夜通しあらゆる種類のドゥルパドを堪能、深く感動したり、ときに存在するコミカルな演奏に笑ってしまったり、濃い三夜となりました。

今年もメーラは私の師匠Ritwik Sanyal氏の演奏で幕を開きました。RagaはBihagでした。シヴァラートリを間近にし、最後はシヴァの曲でシヴァをたたえました。


インド中からドゥルパドのアーティストがヴァラナシに集います。

唯一日本からはパカーワジの金子哲也さんが出演。多くのアーティストの伴奏を担当され、とても素敵でした。でもインドではお約束の、名前の間違いが。。上の出演者リスト19番目、「テスヤ コーンハードゥーコー」って。。。インドは相変わらず笑わせてくれる。。。

今年は去年出演したUday Bhawalkar氏が出演されなかったのが残念でしたが、それでも特に二日目に素晴らしいアーティストが集中し、まったく眠らせてもらえませんでした。

Smt. Ashoka Dhar Nandi, Raga Lalita Gauri

数少ない女性アーティストの一人、Ashoka Dhar氏。以前オーストラリアでたまたま知人から彼女のレコーディングを受け取り、今回生で聴けてとてもうれしかった。年齢を重ねた女性の美と深みを感じた。

Wasifuddin Dagar, Raga Bageshree

デリー流派のWasifuddin Dagar氏。インドで最優秀のアーティストに与えられる賞も受賞している人です。最初はとてもソフトにゆっくりと始まり、最後はマシンガンのようなガマック(声の揺らし)でシヴァの名前を連呼し、観客を完全圧倒しました。

Pushpraj Koshti, Raga Nat-Bhairav

もう夜明けが近づいた頃、スルバハールのPushpraj Koshti氏の演奏に深く感動。言葉にならない美しさだった。


3日目には、本当にまれな女性のパカーワジ奏者の登場。女性のサントゥール奏者とともに演奏。カヤールとドゥルパドの融合でした。


ガンガに面したバルコニーで音楽を聴きながら、夜明けを待つ人々。


Prem Kumar Mallick氏のアーラープを聴きながら、ガンガを眺めました。ラーガの名前を思い出せないけど、優しい夢のような世界を繰り広げる音色が、ピンク、オレンジ、薄紫色のグラデーションのガンガに、ぴったり合っていました。


Mallick氏、ゆったりと始まり、最後は複雑なリズム展開のエネルギッシュな演奏で終了。パワーワジは、Shrikant Mishra氏と金子哲也氏。

Sayeeduddin Dagar, Raga Hindol

今年もトリは、Sayeeduddin Dagar氏。彼が挨拶で、「60、70、80と歳を重ねるにつれ、芸術はどんどん若くなってく」と言っていました。純粋に音と戯れている様子が、本当にそれを感じさせ、感動的な最後となりました。