平成21年12月30日水曜日

クリスマスとボートライド


今日は今回インドに来て初めての雨が降りました。でも傘は要らない、短い小雨。
珍しく1日曇っていたので、部屋やカフェで過ごしました。

今日のランチでは、ある新記録を更新。ガンジス河沿いのあるカフェで、注文してから食べ物が出てくるまで、2時間半待ちました!
インドでは1時間くらい待つことはよくあることで、今まで最長で1時間半待ったことはありましたが、今日は長かったです。。。忍耐を試される体験でした。


インドにいると世界中からの観光客と出会う機会があります。そして現地の宗教以外にもさまざまな宗教に触れます。同じ宿に住むイスラエル人のユダヤ教の祝日の最終日のお祝いディナーに参加しました。トマトの中にピラフをつめたものなど、手の込んだとてもおいしい料理をいただきました。8日の祝日にあわせて8本のろうそくをともします。炎を見つめながらどのろうそくが一番最初に終わるかの当てっこをしました。私の予想が的中しました。


クリスマスの日は、毎年River Ashramというところでランチが無料でふるまわれます。ヴァラナシでは少ないキリスト教のアシュラムで、サンスクリット語も交えたイエスキリストを讃える歌などを歌った後、キリストが人々の病気を奇跡的に治した逸話などについて語られました。


そのあとは、美しい芝生の上で、とってもおいしいランチをいただきました。


ガンジス河沿いでは、ヒンドゥー教の先祖をまつる儀式が行われていました。

年末のヴァラナシは、観光客の数はそれほど多くありませんが(多くの人はより暖かい南インドへ行きます)、音楽が盛んな街なので、コンサートだけは毎日のようにあらゆるところで開かれています。クリスマスの夜は、Ganges Viewというホテルで、シタールのコンサート。とても甘く優しい音色でした。


Pt. Amarnath Mishra(sitar), Kuber Nath Mishra(tabla)


次の日は、翌日ヴァラナシを出る友人とともに、朝のボートライドをしました。


ボートをこぐのは、ボート漕ぎのおじさんの息子。小さな体で、得意げに、そして楽しそうに漕いでいました。


沐浴する人々。


Kedar Temple。ヴァラナシの三大リンガの一つがここにあります。


かつてのマハラジャの宮殿。


メインガート。盛大なプージャが毎日ここで行われます。


洗濯屋さん達。川の水で、石の板に洗濯物を叩き付けて洗います。洗い終わったものは地面に並べます。せっかく洗ったのにまた汚れちゃうんじゃ、、、と最初は思いましたが、乾いたらきれいに砂を払う特別な技術があるという話です。


一瞬死体かと思いましたが、自分の意志で浮いている人でした。


朝のプージャ。
ガンジス河は早朝からいつも活気にあふれています。

平成21年12月24日木曜日

United Nations of Indian Classical Music


ヴァラナシから、メリークリスマス!こちらは3日くらい前から、冬の気候になってきました。朝夜はけっこう冷え、昼間は春のようです。
ここでのクリスマスはいたって静かです。街の様子もいつもと何も変わりません。

今週月曜日、ヴァラナシのベンガリトラで、外国人達によるインド音楽コンサート『United Nations of Indian Classical Music』が開催されました。マントラで始まり、タブラソロ、そしてシタールとタブラのデゥエットという内容でした。私以外は、皆さん15年以上の経験を持つ人たちです。

前日に新聞の取材を受けました。主催のKashika Music Ashramが、インド音楽に取り組む外国人をフィーチャーしたコンサート、記念の初回ということで。テレビに少し、新聞3、4紙に載ったそうです。


オープニングで、富と美の女神Lakshmiや音楽と学問の女神Sarasvati、グルに捧げるマントラ、プージャマントラを歌いました。


続いてカナダ人タブラ奏者、Shawnによるタブラソロ。観客の中には、伝説のタブラ奏者、Kishan Maharajの息子、Pooran Maharajの姿も!


最後に、日本人シタール奏者、南澤さん、オーストラリア人タブラ奏者、Shenによる演奏。小さな会場は人があふれ、中に入れず外で聞いている人もたくさんいました。


Kashika Music Ashramでは、3月に外国人達による大規模なコンサートを企画中だそうです。今回は、その第1歩、好調なスタートとなりました。

平成21年12月15日火曜日

場の力


日曜の夜、友人に誘われ、あるレクチャーに行ってきました。タントラの聖典に関する講義で今Shiva Sutraの夢に関することをやっていると聞き、とても興味を持ちました。でも日曜日は外国からチベット密教の学者の方が来ていたため、内容を変えて聖地ヴァラナシの場の力に関するお話でした。

この会を主催しているのは、インドに30年以上住むサンスクリット学者のイギリス人のおじいさんです。ガンジス河を見渡す部屋で、12、3人の人が集まりました。

ヴァラナシは、インドの中でも最も頻繁に研究され、最も多くの巡礼者が訪れるという事実をもとに、その場の力についてお話がすすめられました。

神、天使、幽霊などのSupernatural beingsの中には、特定の場所に住むものが多くいます。人が家に住むように、様々な神もそれぞれの場所に宿ります。ヴァラナシは街全体が曼荼羅になっていて、ヴィシュワナート寺院を中心として神の集団が配置されています。そしてそれぞれの場に宿る神が、その場所を災いから守る役割を果たしているそうです。ヴァラナシの有名な寺院の神の写真や、街中に配置されているリンガム(男根)の写真などを見ました。

月曜日は、Kal Bhairav寺院を訪れました。KalはBlackを意味し、Bhairavは、怒りに満ちたシヴァ神です。破壊の女神カーリーのように、赤い舌を出し、でも男性ということで、口ひげがついています。Raga Bhairavを歌っているので、あなたの音階を歌わせてくださいとお願いにいきました。ここから歩いてすぐだからと言われ、リクシャーをおろされるも、歩いても歩いてもお寺らしきものはない。お店で訪ねると、まだまだ先とのこと。2台目のリクシャーに乗った途端、道は渋滞で全く動かない。辿り着けるんだろうか、、と不安になりながら、日も暮れかけた夕方、やっと到着。花輪を買って、中へ。朱色の印を額につけ、灰もつけ、花輪をもらい、腕輪もまかれ、おはらいもしてもらいました。お参りのあと、Kal Bhairavの写真を買いました。

Bengali Tola の日本食レストランでディナー。かきあげそばを食べました。レストランのテレビでは、『パーマン』のヒンディー語バージョンがやっていました。懐かしくておもしろおかしかったです。

家に帰ってBhairavの写真を飾りました。彼が私の部屋に住み始めたのを感じました。

音の世界への導き


先週は素晴らしいコンサートが続き、レッスンも始まりました。音楽生活本格スタートです。

先週水曜日は、AssiのGanges Viewというホテルで、MumbaiからやってきたSurbaharのマスター、Pushpraj Koshti氏のドゥルパドコンサートがありました。ドゥルパドはインドで現存する最古の古典音楽です。Surbaharはシタールに似たさらに大きな楽器で、ドゥルパドの演奏に使われます。Pakhawajによる伴奏は、Srikant Mishra氏。コンサートで私のグルジRitwik Sanyal氏に再会。明日の晩おうちに招かれる。

木曜はグルジのおうちでディナー。彼と家族の南インドでのバケーションの写真をたくさん見ました。イタリア人の生徒の女性がおいしいインドイタリア料理を作ってくれました。

金曜朝、今期初レッスン。以前から学んでいたRaga Bhairavの即興を始めました。なんだかすごいことになってきた、こわいような、同時にぞくぞくわくわくするような感覚を覚えました。そして新しく、夜のラーガ、 Raga Yamanを始めました。これで朝も夜も練習するラーガができてうれしい。


土曜日はBHU、ベナレスヒンドゥー大学のホールでのグルジのコンサートへ。1週間にわたって午後3時から夜7時くらいまで毎日行われていたコンサートの最終日でした。とても素晴らしかったです。これからの学びがさらに楽しみになってきました。


"Dhrupad is not a apecific jenre with its peculiariities, but a universal representation of sound, a beautiful and endless journey to eternity. In the process we enjoy the sound of life and grow every moment both existentially and spiritually. It is a prayer of the universe for the well-being of mankind.....let us all get absorbed and take part in this never ending journey into the realm of sound....." - Ritwik Sanyal

“ドゥルパドはある特徴をもった特定の音楽ジャンルではなく、音の普遍的な表現、永遠への美しく終わりのない旅である。その過程において私たちは人生の音を 楽しみ、いつの瞬間も、自己の存在、精神を成長させていく。これは人類の平和や幸福へ向けた宇宙の祈りである。この音の領域への終わりのない旅に出よう。” 

平成21年12月7日月曜日

Varanasi Life


ヴァラナシに来て1週間が経ちました。ガンジス河沿いのヒンドゥー教の聖地、生と死が交錯し、シヴァ神の住むところと言われています。
今の季節は、昼間は暖かく、朝夜は冷えます。

毎日、歌の練習、瞑想、ヨガ、サンスクリット語の勉強をして、残りの時間は河沿いや街を歩いて、友人とチャイを飲んだりする生活です。

宿はとても快適です。12畳くらいの天井の高い大きな部屋で、バルコニーもついています。共同のキッチンがあり、冷蔵庫もあります。(冷蔵庫はないところが多いです。)インドのホットシャワーはとてもぬるく水とお湯の中間みたいな温度で震えながら入ることも多かったのですが、ここのシャワーのお湯は熱すぎるくらい。水を混ぜなければいけないなんて、なんて贅沢な気分。これで家賃は1日200円程度!長期滞在者にもってこいです。また、家の向かいにオーガニックカフェ、Om Cafeがあり、ワイヤレスインターネットもあるので、とても便利です。

今は結婚式シーズンで毎日爆音のドラムが街を行進し、夜には空に花火があがります。先日、いつも私の歌の先生の伴奏を担当する大御所パカワジ奏者Srikant Mishraさんの娘さんの結婚式に行ってきました。大規模なもので、1000人くらい来ていたと思います。たくさんの友人に再会し、Gundecha Brithersなど有名音楽家の姿もちらほら。


ビュッフェスタイルのディナーはとても豪華でした。中華料理、ラジャスターン料理、地元料理コーナーがあり、カレーだけでも8種類くらい楽しめました。


マーチングバンドが到着、爆竹、打ち上げ花火。とても近いところであげるので、火花が自分の頭に落ちてくるのが感じられました。危ない。。。打ち上げ花火に同乗して、実弾の入った銃を空に打ち上げるやくざみたいな人も。静かな注目を集め、得意気。誰でも入れるのでこういう困った人も来てしまうのでしょう。



花に飾られた車でお婿さんが到着。とてもハンサムで王子様のようです。その後お婿さんとお嫁さんのお父さんのための儀式が行われました。聖職者がマントラを唱える中、男二人の絆が結ばれます。インドで足に触れることは深い敬意を示す動作です。お嫁さんのお父さんが、お婿さんの足に触れる姿が感動的でした。


夜11時半くらいになって、待ちくたびれた頃、やっとお嫁さんが登場。真っ赤でキラキラのゴージャスな衣装に身を包み、とてもおしとやかです。お婿さんと花輪の交換をしました。毎日4時起きのためこの辺で眠気の限界、お嫁さんを見たので満足し、帰りました。


ガンジス河の水上結婚式も頻繁にあります。


シヴァ神の格好をした子供。写真をとったので、少しのお金をあげます。笑顔がとっても可愛い。


ある日ガンジス河沿いで大きなコンサートがありました。そろそろ帰ろうとひとりで歩いていると、6歳くらいの小さな男の子に話しかけられ、僕についてこいとのこと。そして私がまだ行ったことのないいくつものお寺に連れて行ってくれました。お金が欲しくてやっているのではなく、純粋にお寺が見せたかったようです。彼とはその後も何度か街で出くわし、とてもよい友達です。

シヴァ神のパートナー、女神パルヴァティ。

シヴァ・リンガム(シヴァ神の男根)

昨日近所のアートギャラリーで、十代の子供カメラマン10人による写真展に行ってきました。外国人の女性カメラマンがヴァラナシの子供達にカメラを与え、写真を教え、これが初めての展示会だそうです。今日が初日でカメラマン達もみんな集まっていて、いろいろ説明してくれました。大人顔負けの腕前で、ヴァラナシの何気ない日常を澄んだ目でとらえていました。


インド人は早起きの人が多いです。早朝から大声で歌う声も聞こえます。今朝は今まで聞いたことのない女性の声が街中に響き渡っていました。何かただごとでないような悲しい声でした。おそらく子供が死んだのだろうということでした。私の子供が、私の子供が、という部分だけ聞き取れました。すごく悲しく、強烈な力をもった歌声でした。

平成21年12月2日水曜日

Vipassana瞑想 in サールナート


ヴァラナシから車で約1時間の仏教の街、仏陀が初めて説教をしたという土地サールナートでヴィパッサナー瞑想をしてきました。ヴィパッサナー瞑想は仏陀直伝の、彼自身が悟りに達した瞑想法だそうです。


10日間のコースでは、朝4時起床から夜9時半の就寝まで、1日約10時間瞑想し、喋ることは一切禁じられています。今回で4回目の参加になります。サールナートの センターは、一面畑の何もないところにある小さなセンターで、木や色とりどりの花が植えられた可愛らしいところでした。


初日の夜、おそらく水道水で歯を磨いたことが原因で、瞑想1日目から、下痢、嘔吐。少しハードなスタートとなりました。この日は休憩時間はひたすら寝ていました。

2日目には 回復し、瞑想に集中することができるようになりました。最初の3日間は、ひたすら呼吸に集中します。いくら集中しようとしても、心は隙間をみつけてすり抜 けるようにして、いつの間にか考え事を始めています。それに気づいたらまた呼吸に戻る、をひたすら繰り返します。でも日が経つにつれて徐々に集中力は増し てきました。

4日目以降 は、全身の感覚に集中しました。長時間の瞑想では、どこかしら体が痛みだし、痛みがやってきては去る、を繰り返します。そしてコース後半になると全身が溶 ける、という快感も味わいます。その感覚もまたやってきては去ります。体の感覚も、世の中の流れと同様、諸行無常です。すべては変わりゆくといくというこ とを自分の体の内側を観察することで体験します。痛みと快感の波のなかで、痛みを嫌悪せず、快感に執着せず、ありのままを見つめながら常に完全な心の均衡 を保つことを学びます。そしてその精神を人生に活かすことを目指します。


インドの ヴィパッサナーは初めての参加で、過去のコースとは違うところもありました。瞑想中のゲップはときにまるで交響曲のようでした。本来他の参加者との接触は アイコンタクトすらも禁止されています。でもあるインド人のおばちゃんは、世話好きをやめられず、懐中電灯で私の部屋の鍵の番号を照らしてくれたり、瞑想ホールの外が暗いとき、みんなのサンダルを照らしくれました。そんな無言の温かい接触はありました。


10日目に沈黙は解かれ、全員会話を許可されます。そうすると今までの深刻な固い表情は一気に緩み、みんなにっこにこで、この時を待っていた!とばかりに会話を始めます。

そして、外 国人同士6人で集まって昼食をとっていると、インド人のおばちゃんに、今から歌とダンスするから女子寮に集まって、と呼ばれました。え〜!今までのヴィ パッサナーではありえない展開!おもしろい流れに笑いをこらえられず。そしていざ始まるとこれがまた非常にぎこちなくておもしろかったです。椅子を円形に 置いて、とりあえず希望者から歌います。インド人の歌の上手な若い女の子が先頭を切り、そのあと私たち外国人達も歌うよう言われます。私は下手だからと断 る子にも、どうやら強制のようで、結局外国人は嫌がっていた子達も含め全員歌いました。あるおばちゃんに、歌って、と誰かが言うと、腰が痛いから歌えな い、とのちょっとハテナな理由で断っていました。

そして11日目、別れの時にもまた、インド人のおばちゃん達はとても温かかったです。ハグされ、懐中電灯のおばちゃんに「my daughter」と顔を撫でられ、腰が痛いと言っていたおばちゃんは、ぼろ泣きでした。それを見て少しウルっときました。

朝センター を出発。のどかな農村を通ってサールナートの街へ向かいます。10日間目を閉じての瞑想のあと、緑はさらに鮮やかに見えました。ジープから村人達の日常を 観察しながら、静かな幸せに満たされました。なぜか服を着せられ、ぼーっと突っ立ている子牛、おしりを半分出して真剣に遊ぶ子供、木の枝をかじって歯磨きしながらジープを見送る青年達、何気ないいろいろなことが愛すべきものに思えました。

午前中サールナートを少し観光。日本の寺院、タイの寺院、仏陀が初めて説法した場所などを見て回りました。


昼食後ついにヴァラナシへ。相変わらずの喧噪を懐かしく眺めます。いつも滞在するアッシーというエリアに着くと、路上やお店でたくさんの知り合いが再会を喜んでくれました。

人々の話し声がごちゃ混ぜの騒がしいレストランの中でも、一息ついて目を閉じると、体の中は微細な心地よい振動に満ちていました。内側の静けさがより確かなものになって、これからはインドの喧噪ともうまくつきあっていけそうだと思いました。


平成21年11月30日月曜日

デリーからサールナートへ

ナマステ!インドに来て、あっという間に2週間が経ちました。やっとインターネットができました。まずは、インド到着時の体験から。。。

16日の夜10時にデリーの空港に到着。飛行機を降りた途端、税関の列はものすごい人です。インド人も外国人も混ぜこぜ、並び方に秩序はなさそうなので、私もそれにならって適当に並びます。簡単な健康診査の後、入国審査です。

どこから来たの?と聞かれ、ジャパン、と答えると、ジャパ〜ン!!と大きな声で繰り返してくれます。普通は旅の目的などを聞かれるのですが、ここでのおじさんの質問は『What is the full form of Japan? 』でした。
日本の完全型は何か??う〜ん、ちょっと意味が分からないので、Full formってどういう意味で?と聞くと、その質問には答えず、『The full form of Japan is, "jumping and pumping."』と答えだけ返されました。全く意味の分からないまま、入国審査終了。
おもしろいとかおもしろくないとかの次元にも行けない、本当の意味不明で、その後しばらくその謎に満ちた答えに想いを巡らせましたが、考えてもわからないのでやめました。
摩訶不思議インドの始まりを実感。

この日は大雨。プリペイドタクシーでメインバザールの安宿街へ。途中バイクが車の目の前を横切る、時間が一瞬止まるようなヒヤッとする体験のあと、1時間ほどで到着。
タクシーを降りるとすぐに客引きがやってきます。以前も泊まったところに泊まるつもりだったのでそう言うと、そこは満員だ、とのこと。真実はわからないけれど、雨も凄いしそこは信じて彼のすすめるホテルへ。ホテルのマネージャーは、見た目子供?(15歳くらいにしか見えない)の非常ににこやかな元気な青年でした。とりあえず握手をもとめられ、10分ほどの会話のなかで3回くらい握手。一番良い部屋しか今はない、と言われ、別に良い部屋はいらないのだけれど、100ルピー値切って、そこへ。安宿街なので、それでも1泊千円くらいの、シンプルな部屋です。大きめの薄型テレビはありましたが。

12時頃部屋に落ち着き、シャワーをあびて、インドではちょっと珍しい、大きめ薄型テレビをつけてみる。私の好きなチャンネルは深夜も通しでやっている宗教チャンネルで、何百人も集まったキルタンの模様や、インドの神様の実写劇などが見れます。Rama神の格好をしたお兄さんがにこやかに歌っていました。なんだかおもしろくて平和で、こちらも笑みがこぼれました。

次の日は、昼前の電車でヴァラナシへ、そしてサールナートを目指します。
午前中に何でもそろうメインバザールで必要な買い物を済ませようと、お店が開く朝9時に外へ。シャンプーなどを買いに薬局にいくと、結婚しているのか、と聞かれる。この質問はインドではまず最初に聞くことのようです。それから歳をきかれ、その歳で子供がいないのか、などがいつもの流れです。
いろいろそろえたいものはあったけれど、お店はまだちらほら開き始めたばかり。日本の調子で、短時間で効率よく物事を進めようとしていた自分に気づき、ここはインド、流れに身を任せるのみ、と思い直す。とりあえず朝食だけ済ませることに。以前からお気に入りのお店で、Muesli入り大盛りフルールサラダ、50ルピー(約100円)をいただく。でも、食べ終わる頃にはいろいろなお店が開き、なんとか必要なものはだいたいそろう。

ホテルをチャックアウト、サイクルリキシャー(人力車タクシー)で駅へ。舗装されていないぼこぼこの道でリキシャーは揺れまくり、前日の雨で道はドロドロ。そこへ、私の宝、タンプーラが落ちる。。。道は泥なので柔らかいから壊れる心配はありませんでしたが、ケースは見事なまでに泥まみれになりました。落ちる瞬間に、あ〜っ!と声は出たものの、もう落ちたものはしょうがない、心は意外と落ち着いたまま、拾い上げる。ここはインド、こんなこともある。

駅に着くとポーターがよってくる。大荷物なので頼む。会話は、結婚してるの?ボーイフレンドはいるの?から始まり、だんだん下世話な方向へ。もうつきあっていられない内容になってきたので、適当にあしらう。

17時間の列車の旅は、とても穏やかに過ぎていった。向かいに座っていた親子は、息子が非常に親孝行で、両親の食事の世話、寝床の支度など、全て息子がやっていて、見ていて心が洗われました。

次の日の朝4時45分ヴァラナシ着。駅の中でも外でも地面は寝ている人で埋め尽くされている。踏まないように気をつけなきゃ行けない。タクシーでサールナートのVipassana瞑想センターへ向かう。ふがいなくもぼったくられる。

そしてサールナートの中心地から5キロのとても静かな農村へ。10日間の瞑想の夜明けです。

平成21年11月16日月曜日

ありがとう日本、まもなくインド

今マレーシアのクアラルンプールの空港にいます。インド行きの飛行機にここで乗り継ぎします。

4ヶ月間お世話になった日本に感謝を送るとともに、近づいてきたインドにわくわくしています。


土曜日は、原宿メコノプシスで、最後のワークショップとコンサート。ワークショップでは、平和のマントラ、不死のマントラ、許しのマントラ、プージャマントラなどを取り上げました。いつもよりも参加者の方が積極的に質問やコメントしてくれてとても良かったです。


コンサートでは、2週間前の楽道庵でもご一緒してもらった、カンノケント君をタブラに向かえ、マントラ詠唱とキルタン。みなさんの手拍子も加わって、最後は彼のタブラソロもちょっと披露してもらい、左手の指のないタブラ奏者のとても上手な演奏にみんな感激。


コンサートのあとは、鍋パーティ。いってらっしゃい!の乾杯。メコノプシスさんのほうでプロのシェフの方を呼んでくれて、彼の仕込んだ鍋を特製味噌だれでとてもおいしくいただきました。


メコノプシスの1階がカレー屋さんなのですが、そこに行こうとしたら閉まっていて、迷い込んだ彷徨い人の方なども加わっていただきました。なぜか今年2回もインドに行っている人で、きっとここにも呼ばれてきたのでしょう。
この会をもうけてくれたメコノプシスさんに大感謝!


日曜日は、夕方から、神田の楽道庵で舞踏を見に行ってきました。去年大野先生の研究所に舞踏を学びにきていて今年もやってきたハンガリーのトップダンサー、BATARITAのMOON GIRLという公演でした。少女から女性、清純から狂気まで、月のように本当に様々な表情を見せてくれました。大野義人先生をはじめ、大野舞踏研究所の研究生の人たちもたくさん見に来ていたので、舞踏仲間とも行く前に楽しい夜を過ごせてよかったです。

さて、家に帰り、いっさい荷造りをしていなかったので、2時まで荷造り。4時半起き。飛行機でたくさん寝ました!