平成21年9月20日日曜日

陰ヨガトレーニング通訳を終えて


9月12日から16日まで、世界的な陰ヨガの権威、Paul Grilley & Suzee Grilley先生による陰ヨガのティーチャートレーニングが新宿で開催されました。おととしの初来日に引き続き、今回も通訳を担当しました。

初日、会った途端二人とも『ゆき様〜!』とハグ、再会を喜んでくれました。様!?と、ちょっと大げさだけどキュートで暖かい歓迎がとてもうれしかったです。

陰 ヨガは、アクティブな動きで筋肉に主に働きかける陽のヨガを補う理想的な練習法で、陽のヨガが主流であった日本で現在とても注目されています。陰ヨガで は、普段伸ばしにくい筋膜、靭帯、腱などの結合組織を長時間のホールドによってじんわり伸ばしていきます。働きかけなければ収縮し続ける部分。歳をとって 固くなりすぎる前に、伸ばすことが望ましいです。

このトレーニングの大きな目的のひとつは、ポーズにおける外見機能の違いを見分け、外見にとらわれずに、体内に焦点を当てポーズをより効果的に行うことにありました。

スライドで、人の骨がそれぞれどれだけ違うか、その実に幅広いバリエーションを見ました。写真の一部はこちら
そ れを見ると、人によって骨の形が大きく違い、それによって関節の動きの範囲も変わる、ということがよくわかりました。関節の動きの範囲が生まれついた骨格 によって違うならば、誰もが同じようにポーズをとれるはずがありません。よく言う、“体が固いから” できない、のではなく、骨が適した形をしていないために、いくら練習を続けても無理なポーズも存在するのです。
ポーズがとれないことが骨同士の圧迫によるものなのか、筋肉の伸張の問題でそれ以上進めないのか、そこを見分けることが、ケガをしたり、自信を損ねたりと、無駄に心身を痛めつけないためにとても大事になるということです。

全身の骨格の動きを学んだ後、陰ヨガが最もフォーカスする背骨、股関節に 焦点をあて、それぞれのポーズが詳しくどの部分に働きかけるものなのか見ていきました。それぞれのポーズが効果をもたらすエリアを深く感じ、伸ばしていきました。

少しずつ体を動かしてポーズを調整しながら、どうすれば最も効果的にポーズのターゲットエリアに働きかけるかをそれぞれが実験していきいました。体の内側を見つめ、自分の体を知る良い練習になりました。長いホールドにより、効く〜!という感覚を味わうともに、ポーズの中で瞑想することで深くリラックスするこ と ができました。

どのポーズがどの内臓の経絡に効くかの説明もありました。これは高度な知識なので、長年かけて実験、体感していくことが大事だと思いました。

ポール先生は、けっこうブラックなジョークが好きで、時々放たれる、“体が柔らかいと、もっとスピリチュアル!?” 関連のジョーク、また、体が左右で違うのは自分だけ、と卑屈に捉えるジョークが、苦笑を招きおもしろかったです。

ダンサーのスージー先生は、優雅な気功的動きを紹介してくれました。タオイズムの呼吸法や、指先を動かし心臓の経絡を刺激するダンスのような動きなど、やっていてとても気持ちよかったです。

いつも最初にこのマントラを全員で唱えて1日を始めました。教師と生徒のための祈りです。

Om Sahana Vavatu Saha Nau Bhunaktu
Saha Viryam Karavavahai
Tejasvi navadhi tamastu Ma Vidvishavahai
Om Shanti Shanti Shantih

ポール先生はこのように訳していました。

ブラフマンが私たちを守ってくれますように。私たちがお互いから最もよいものを引き出せますように。
ブラフマンが私たちとともにいることを楽しんでくれますように。私たちがいつもお互いに対して礼儀と敬意をもって接することが出来ますように。
私たちの学習が精力的なものになりますように。心を開き、お互いから学び合い、理解の光が無限に広がりますように。
新しいアイデアに直面し葛藤したとしても、決してお互いを嫌いあうことがありませんように。
平和であれ、平和であれ、平和であれ。

こ のマントラにもあるように、このポーズはこうあるべき!このスタイルのヨガが一番!など、自分の持つ哲学にとらわれないことが大事というメッセージが繰り 返し伝えられました。ヨガのスタイルの優劣を競うなんて、先生曰く、歯科医師が内科医と争うようなもの。人それぞれ体も心もニーズも違うし、時間帯や季節によっても適している練習法は変わる。いつでも柔軟な心を持つことが大切。

もちろん陰ヨガだけでは、不十分。陽ヨガとバランスよく組み合わせることが大事。また、精神的態度における陰陽バランスも大事。陽の態度:努力、方向性。陰の態度:平和、満足。時には方向性をもって努力しながらも、また時には今に満足して心の平和を保つこと。

最後に主催の綿本彰先生の言葉で、外見にこだわりポーズの完璧さをもとめようとしてしまう傾向のある日本のヨガにとって、二人の教えは非常に貴重なものだった、という意見に深く同意。

最終日は、先生二人、綿本先生やヨガワークスの方々と、新宿でおいしいディナーを楽しくいただきました。

来週の陰ヨガワークショップでもシェアしたいことがたくさん!ますます楽しみになってきました。

Paul&Suzee先生、ありがとうございました!ヨガフェスも楽しみにしてます。

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