平成21年10月6日火曜日

サンギート・メーラ インド古典音楽と舞踊の祭典

10月3日から4日の満月の夜、岐阜県で第12回サンギート・メーラが開催されました。音楽、芸術の女神サラスワティに捧げる日本最大のインド古典音楽と舞踊の祭典です。夕方6時から朝の6時まで、インドの芸術を堪能しました。

例年通り地元の和太鼓グループの演奏で幕開けです。大地を轟かせるような力強い太鼓の響きが場内を活気づけます。和太鼓ほんとダイナミックでかっこいいです!興奮とともに神秘の夜が始まりました。

前田敦子さんのカタックダンス。ドゥルパド声楽のシュリーさんのグルヴァンダナ(グルに捧げるマントラ)で始まり、南澤靖浩さんのシタールと、通常カタックダンスの演奏はタブラに合わせるところを新たな試みとして久野隆昭さんのガタム(南インドの壷太鼓)に合わせて。クリシュナに関する物語の踊りでは、最初のスローな部分がぞくっときました。

ヴァラナシからお越しのサンギート・ミシュラさんのサーランギ(ヴァイオリンのような音色のインドの弓弦楽器)と日本在住のアシュウィニ・クマール・ミシュラさんのタブラ演奏。

巽知史、幸恵さん夫婦によるバラタナティアム、南インド舞踊。終始優雅な表情でみせる非常に難しくて速い動きに脱帽。

サンギートメーラ主催者、ジミー宮下さんによるサントゥール(2本のバチで演奏される箱形のの弦楽器)、とU-ZAANさんのタブラ演奏。タンプーラはジミーさんよりサントゥールを習うゆきこさん。

ヴァラナシからお越しのマタ・プラサード・ミシュラ、ルドラ・シャンカール・ミシュラ親子によるカタックダンス。ダイナマイト・カタックとみんなが呼ぶ、力強い男性的な踊りでした。

ここで休憩。チャイが全員にふるまわれました。

休憩後は、今回のサプライズゲスト、テンジンさんによるチベットの歌。般若心経や、亡命し後にしたふるさとを思う歌を歌いました。シェンフリンデルさんのタブラと寺原太郎さんのバーンスリーとあわせて。

武藤景介さんのシタール、金子哲也さんのパカワジ演奏。

インドからお越しのバウルのサドゥ、ショッタナンドダスさんによるバウル音楽。エクタールという一弦楽器と腰にかけた小さなタブラのような太鼓、足につけたベルの音で歌うソロと、バルナギータという平和と環境保護を歌うバンドのパーカッショニスト、マーボーさんを加えて。のびのびとした声、ビヨンビヨン鳴る弦楽器、踊らせる太鼓、途中で回ったり少し動くだけでかわいい衝撃的におもしろいステージでした。

ダヤトミコさんによるバラタナティアム。3拍子、4拍子、5拍子、7拍子、9拍子などさまざまなリズムに合わせてそれぞれ異なるインドの神様を踊りました。写真はサラスワティの前でのサラスワティの踊り。

南インド在住のシュリーさんによるドゥルパド声楽。金子哲也さんのパカワジ、ヴァラナシで同じ先生からドゥルパドを学ぶ鈴木なおちゃんのタンプーラに合わせて。去年シュリーさんは、私が南インドに行った際、初めてのドゥルパドレッスンを受け、ヴァラナシの現在のグルジを紹介してもらった恩人です。久しぶりに会ってお話しする機会ができ、練習法などのアドバイスもいただき、とても感謝しています。

ヨシダダイキチさんのシタールと、シェンフリンデルさんのタブラ演奏。即興で演奏されるインド古典音楽ではアーティスト同士のアイコンタクトも見物です。たくさんの笑顔を交わし合い、にっこにこで演奏する二人の姿に、観客も笑顔になりました。

左から金子哲也さん(パカワジ)、マタ・プラサード・ミシュラさん(タブラ)、久野隆昭さん(ガタム)によるドラムバンド。交代で演奏したり合わせたり、こちらも遊び心あふれる楽しい演奏でした。

カルロス・グゥエラさんによるバーンスリー、シェン・フリンデルさんによるタブラ、カルロスさんの奥様トクコさんによるタンプーラ。満月のラーガ、とても優しい音色のスウィートな演奏でした。

南澤靖浩さんのシタールとマタ・プラサード・ミシュラさんによるタブラ演奏。深く切ないシタールに聞き惚れる。最後はタブラとともに激情のクライマックス。

今年亡くなったサロードの巨匠、Ali Akbar Khan師より学んだ、サンフランシスコよりお越しのスティーブオダさんのサロードとU-ZAANのタブラ。タンプーラは寺原太郎さん。朝日に照らされた早朝のステージで早朝のラーガを演奏しました。スティーブさんのあまりに美しいサロードの音色に感動、最後には多くの人が涙していました。

プログラムの、インド古典音楽に関する説明の最後に書かれていた言葉。

“究極的に演奏家は、音楽を媒体として神なる音ナーダ・ブラフマー、つまり音霊、霊的な音を探求し、より次元の高い神秘性を求めていくのです。インド古典音楽は、自然、宇宙との一体化の成就、すなわちヨーガ(統合)のひとつでもあるのです。”


あまりに充実した内容に、久しぶりに夜通し一睡もしませんでした。温泉と仮眠のあと、打ち上げ。水晶くん(2歳くらい)の掛け声付きの和太鼓の演奏にみんな拍手喝采。『ウババ!』ドンドン!!

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